札幌こどものはいしゃさん 近藤有紀先生

医療法人幸志会~夫妻での分院展開

「札幌こどものはいしゃさん」は2020年5月、コロナ禍の真っ最中に札幌市中央区で開院した、その名の通りの小児専門の歯科医院だ。院長の近藤有紀先生は自身2人のお子様のお母さま。小児歯科のスペシャリストとして北海道の将来を担う子供たちのお口を守りたいとたち上がった。㈱ジャパンデンタルは今回の開業をお手伝いさせて頂いたのだが、夫の近藤憲次郎先生が理事長を務める医療法人幸志会の分院として「札幌こどものはいしゃさん」開業にスポットを当ててみた。
 

近藤有紀先生のご経歴

2009年 北海道医療大学歯学部 卒業
2010年 同大学口腔構造・機能発育学系小児歯科学分野 入局
2012年 北海道医療大学歯学部歯学研究科 入学
2016年 北海道医療大学歯学部歯学研究科 卒業(歯学博士号取得)
2014年~2020年 Sこどもの歯科 勤務
2016年~2020年 Nこどもクリニック歯科 勤務
2020年5月 医療法人幸志会 札幌こどものはいしゃさん 開業  現在に至る
 
専門医資格・取得資格
2017年 小児歯科専門医、障害者歯科認定医

 
開業地は札幌市の苗穂駅近く。北ガスアリーナとサッポロファクトリーに挟まれた地域で、周辺には大型商業施設、小売店舗、事業所、催事場が混在する住商混合の商業地域だが、新築タワーマンションも隣接している再開発地域でもある。「札幌こどものはいしゃさん」は、こうした地域の新築マンションの1階に開業した。新築マンションも多いことから、ファミリー世帯人口が多く見込め、地域密着の小児歯科を主体にした診療ができる環境だ。

 
 

※外観

 

院長にお伺いします。コロナ禍での開業でしたが随分とご苦労されませんでしたか?

院長:大変でした!(笑)ご存じの通り札幌はコロナが流行し独自の緊急事態宣言が出たりしましたので。その為、計画していた内覧会は中止せざるを得ませんでした。その上、中々宣伝もできない状況でしたが、テナント契約をはじめとした開業準備は順調に進んでしまいました。開業時期を変えずに大丈夫かな?との不安はありましたが、予定通り開業することにしました。
 
そのような中でもホームページや、来ていただいた患者さんなどの口コミの効果が非常に大きかったのか、当初自分が思っていた以上に多くの患者さんに来院して頂きました。コロナの最中の開業と言う2重の不安を吹き飛ばす事ができる予想以上の状況で現在まできています。札幌以外からも宿泊して来られるような遠方からの患者さんもみられるようになりました。

 
 

※近藤憲次郎理事長と有紀院長ご夫妻

 

憲次郎先生が既に医院を開設している中、敢えて分院開設を選んだ理由は何でしょうか?憲次郎DR(幸志会理事長)

妻(近藤有紀先生)は、大学入学後から将来の結婚・出産・子育てを考え、母親になった場合でも勤務が続けられる専門性のある分野を希望し、小児歯科を選択しました。もともと子供が好きだったこともあり、小児歯科は天職だと感じていたようです。
 
大学の小児歯科学講座に入局当初より、小児歯科専門のクリニックの開業を第一目標とし、道内の小児・障害者歯科医院を数多く見学し、勤務先での研鑚を積んできています。その間に、歯学博士、小児歯科専門医、障害者歯科認定医の資格を取得してきました。
 
有紀DRの専門性を活かした開業を3年ほど前から本人と一緒に考えて来ました。開業地選定含め、本格的に開業を検討するようになったのは2019年3月の講座退局後です。
2018年4月に私(理事長)がライム歯科クリニックを開業していましたので、別々の経営よりも医療法人としての分院開業形態の方が、特に開業当初の立ち上がりの不安定な状況が発生した場合にも法人内での補填を行う事も可能ですし、夫妻間での患者様情報含めた様々な情報共有が密にできるとの狙いもあり、お互いの医院の相乗効果から医療法人の分院で開設しようと考えました。車で30分程度の距離ですので夫妻で協力体制を整えられる環境です。もちろん双方の医院が単体での収支が成り立つことが最低限、前提にありました。夫妻でなければ分院展開は考えていなかったと思います。
 
本院での小児歯科診療も検討はしましたが、ユニット増設をはじめその他のスペース拡張は物理的に出来ません。また断念の最大の要因は、本院は古くからの住宅地域なので居住者の年齢層が高くなってきており、又、周辺には幼稚園は無く小学校は小規模であることから0歳~15歳の年少人口があまり見込めない地域性だったので、本院での専門性発揮は諦め、苗穂での分院開設を選びました。
 
 

※子供達に人気の待合室

 
 

近藤有紀DRの診療所開設に対する思いをお聞かせください

大学卒業し研修医終了後、小児歯科へ入局し、小児歯科治療に携わってきました。大学で最新の治療を習得する傍ら、週2回~4回は小児歯科専門のクリニックにて非常勤歯科医としても勤務していました。その際に「子どものむし歯が減ってきている」とよく言われていますが、小児歯科専門医でなければ治せない子供が今なお多いことを身に染みて感じてきました。
 
小児の専門性を持つ地域密着型の歯科医院が減る傾向にあります。少子化であるからこそ、小児専門の歯科医院を希望する保護者も増えてくると考えられます。札幌市の子どもたちのために、また、その保護者のために、いつでもお口の健康を提供できる小児歯科専門のクリニックを開業したいと思いました。
 
開業地の決め手はファミリー世帯人口が多く居る地域と言う事でした。開業地は、市内中心部に近く周辺には大型商業施設、事業所及び小売店舗、催事場が混在する住商混合の商業地域ですが、新築タワーマンションが隣接している再開発地域内の新築マンションの1階です。こうした環境から小さなお子さんのいるファミリー世帯も多く見込め発展性も期待できます。地域密着の小児歯科を主体にした診療ができる環境と確信し開業地を決めました。
 
又、マンションの1階で前面に駐車場4台の確保も出来ました。接面道路幅は広くはありませんが、中央分離帯も無く片側1車線で駐車場にも入り易い。立地環境は私の希望をほぼすべて満たしていました。
 
 

※診療室

 

開業されて10ヶ月ですが、今後はどのような歯科医院にしていきたいですか?

有紀DR:将来的にも地域密着、予防歯科型の小児歯科に特化した専門のクリニックを目指しています。ファミリー層が多いと言う地域柄から、特に母親に対するマタ二ティ歯科も実施していこうと考えています。それと障害を持つ小児歯科の受け入れ先があまりないことは認識しており、積極的に障害児の診療を受け入れたいとの希望を持っています。
 
小児歯科という専門柄、歯科衛生士が重要な役割を果たすため、開業時からスタッフは衛生士のみとの体制を作りました。小児患者だけでなく同伴者である保護者へのサポートも充実させていきたいので「スタッフは衛生士のみ」の体制の継続をしていきたいと考えています。

 
 

理事長にお伺いします。法人化、分院開設後の経営把握などについて教えて下さい。

ライム歯科のみのときとは違い、2ヶ所の歯科医院体制なので経営把握と言った面での負担は少し感じてはいます。ただ経営コンサルタントやジャパンデンタルからのアドバイスもあるので正直さほど心配はしていません。
 
妻が分院長なので日々色んな情報共有が出来ていますし、それぞれが責任を持ちそれぞれの医院管理を行っている事も大きな負担を感じない要因だと思います。
 
分院での診療については、有紀Ⅾrは卒業大学の小児歯科学講座に9年間在籍し、開業医のもとで非常勤勤務をしていたので私も歯科医師としても夫としても安心して分院運営や診療を任せる事が出来ています。
 
 

※清潔感のある受付

 

今後の医療法人の将来についてお聞かせ下さい。

理事長:今後、更に分院を持つ事は考えていません。今回の分院は有紀DRの小児歯科専門医としての独立(経営的にも地域診療の観点からも)を後押しすることを目指したものです。但し、夫婦での2医院経営ですが、あくまでも各医院が単体でしっかりと収支が成り立つことを前提で考えています。勤務歯科医師を雇用してまで大規模な分院展開は全く視野にないです。夫婦でそのような共有した意識でいます。
 
 

※診療室内(プレイルーム&カウンセリングルーム)

 

最後に当社(JD)の事をお伺いさせて下さい。

取引先銀行へも分院開設の相談をしましたが、なかなか正式な回答が得られない状況が続きました。大学の同窓生や、私が開業前に勤務していた医療法人の理事長、又、事務代行業務全般をお願いしている経営コンサルタントよりもジャパンデンタルのことは聞いていましたので、コンサルタントを通しジャパンデンタルを紹介して頂きました。歯科医院や歯科医師のことをよく理解して頂けている感じを持っています。
 
分院の事業計画については、厳しい目線での事業計画をお示し頂いたりしましたが、逆に最低限この数字をクリア出来れば大丈夫だという目線となり安心感が生まれました。結果的には、計画段階よりも多くの患者さんに来院して頂き、不安も少なくなり今日の診療や医院経営を行なえています。
 
開業後も、毎月提出しているデータの集計資料を頂き、目に見える形での分かりやすい資料として数字が把握でき経営目線でも大いに役立っています。今後も出きる限りお願いし、自分たちの経営状況を常に把握していきたいと思っています。また経営上の問題点等の指摘や、それに対するコンサルティングは今後もお願い出来ればと思っています。
 
歯科医師のご夫婦、奥様である有紀DRの専門性で地域医療に貢献したいとの熱い思いから、医療法人化、奥様の小児歯科の分院開設をコロナ禍での大変な時期に邁進されたお二人。専門分野は異なっても、歯科医師のご夫婦として更なる高みを目指される確信を頂戴したインタビューとなった。

 

※トイレ

 
 

札幌こどものはいしゃさん

〒060-0033
北海道札幌市中央区北3条東6丁目356ー1 カーサオリゾンテ 1F
TEL 011-215-0366

 

https://sapporo-kodomo-dentalclinic.com/

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